1989年生まれ 兵庫県神戸市出身

2012年 神戸女学院大学 文学部英文学科卒業

 

 幼少期から独学で絵を描き始め、上京を機に作家活動を本格的に開始する。

 制作する作品に共通するテーマは「どうしようもない孤独」である。

 幼い頃から転居が多く、小学校1年の時には父の仕事でアメリカに居住する。英語も全く話せないまま現地の学校に通うことになり、言葉だけでなく文化の違いもあって初めは馴染めなかったものの、徐々に現地の生活に慣れ、多くの楽しい思い出を作ることができた。しかし帰国後は、逆に帰国子女として周囲からいじめられた経験もある。言葉が通じても分かり合えず、また逆に言葉が通じなくても分かり合えることもあるという、コミュニケーションの難しさを肌感覚として経験してきた半生が、孤独を制作テーマとした理由である。

 また、母親の病気も自身の作風に強く影響したと感じている。アメリカから帰国してちょうど1年経った頃、母の病気が発覚し父との二人暮らしが始まった。学校では預かり保育に通い父の帰りを待つ毎日で、ひとりっ子だったため兄弟と遊ぶこともできず、空虚な感覚を抱きながら一人で過ごす日々が続いた。手術室から出てきた母の姿は今でも脳裏に焼きついており、初めてリアリティのある死に触れた感触があった。そんな経験も少なからず今の刹那的で無常感のある画風に現れていると感じる。

 また水彩絵具という画材自体にもこだわりを持って制作している。水彩絵具は身近で手に入りやすく取っ付きやすいという特徴がある反面、どこにでもあるものという意味で、希少性という価値を高めることは難しい。しかし共通するテーマである孤独感を感じる時は、怒りや悲しみなど複雑に感情が入り混じった感覚を覚えることが多い。その点、滲みやカスレなどの淡く繊細な表現や、すぐに絵具が入り混じり、また一度描くと上から塗りつぶせず修正が効かない刹那性という特徴を持つ水彩絵具が、表現手段としては最適であった。そのため水彩絵具を顔料から選定し、自身でブレンドすることで、自身が覚える感覚に最適な色を自身の手で生み出し、その瞬間のみに生まれるその色を用いて作品を描く。日本では水彩絵具を主とした作品は現状評価され辛いが、耐久性などは技術の進歩によって改善している。作品が十分に保存に耐えうるものだとすると、水彩絵具を用いた作品でアート市場で高い評価を受ける作品が、現状よりも多く出てきたとしても不思議ではないと考えている。そのような文化や風潮を日本に根付かせることも一つの目標としている。

 

 現在は街のサウナ跡地を改装したアトリエにて作品を制作し、国内外にて展示を中心に精力的に活動中。